1.化学センサ

「センサ」というと私たちの身の回りでは赤外線センサや超音波センサなど物理量を測定するものがたくさん活躍しています。それに対して「化学センサ」は空気中や溶液中の分子を捉えて検出することができるデバイスです。例えば水溶液中の水素イオンを捕まえて測定すると、酸性度を測定できるpHセンサを実現できます。捉える対象や方法の違いによって、イオンセンサや免疫センサ、酵素センサ、ガスセンサなどさまざまな種類の化学センサがあります。

2.化学画像センサ

前述の化学センサの原理を使って画像観測するのが化学画像センサです。普通のカメラは光の強弱で対象物を画像化しますが、化学画像センサは分子の量で画像化します。例えば、細菌を培養している領域を水素イオン濃度で画像化すると、元気に活動している細菌がどう分布しているのか知ることができます。

化学画像センサのデバイスは無機半導体や有機材料を使って構成することができます。

(1)無機半導体を用いた化学画像センサ

(2)有機材料を用いた化学画像センサ

3.匂いセンサ

匂いセンサは、空気中のガス分子を捉える化学センサの一つです。通常は単一のデバイスではなく、複数の種類のセンサと情報処理を組み合わせて実現しています。匂いセンサは大きく2つに分類できます。

(1)高感度匂いセンサ

ある特定の匂いを非常に高感度に検出するためのセンサです。例えば、何か物がこげる匂いをいち早く感じるセンサを作れば、火災が発生しそうな状態を感知していち早く警報をだすことができます。そのためには、料理やタバコなど日常生活の匂いと区別して検知する必要があります。

(2)人口嗅覚

センサの性能を人間の嗅覚に近づけると人口嗅覚となります。匂いをかいだときに人間の脳に想起される物や感情、あるいはその度合いを人間に代わってセンサが感覚量として推定するものです。これは人それぞれ異なる感覚量を客観的な尺度で数値化することを意味しており、商品開発など様々な分野で応用が期待できる重要な技術です。

3.味覚センサ

4.マイクロアレイ型センサ