ダイヤモンドは宝石として有名ですが、近年ダイヤモンド半導体を用いた研究が盛んにおこなわれています。ダイヤモンドに含まれるNV中心とよばれる欠陥は室温、大気中で量子状態の検出が可能な系であり、それを使った磁場、電場、温度等の高感度・高分解能のセンサとして応用が期待されています。センサの高感度化や機能化、そしてそのセンサを使った物性計測計測を目指します。
物性の計測対象として興味を持っているのはカーボンナノチューブ(CNT)です。CNTは非常に細くて優れた導電性・熱伝導特性をもつため、透明導電膜やトランジスタ等様々なデバイス応用が検討されています。また、優れた熱電特性をもっていることも特徴です。これらのナノサイズの物性をNVセンタを使って明らかにすることにより、デバイス特性の改善を目指したいと思っています。
現在研究室で取り組んでいる研究内容は以下の通りです。
①量子センサを用いたカーボンナノチューブの熱電特性の評価
②低蛍光強度の透明導電膜の作製とそれを用いたダイヤモンドデバイスの評価
③ナノダイヤモンド温度センサの評価と高感度化
このほかにもナノテクノロジーと量子技術を用いた様々なテーマに取り組んでいく予定です。